今日の洗濯の扉は、東京都府中市の一伸ドライクリーニング店 工藤がお送りします。
来年、絵表示が変わりますね。
今までのJIS表示から、新しい表示に変わるんです。
すでにニュースなどでも取り上げられたりしてご存知の方もいらっしゃると思います。
表示が変わるとどんな事が起こるか?
今までの表示と違い、新しい表示はその服の耐久性を示しています。
つまり、表示の通りに洗えば問題なく洗えます、といった意味になるんです。
また、今まではクリーニング屋さんへ向けた表示ではなかったんですが、クリーニング屋さん向けの表示もすることになり、表示どおりに洗えば問題なくなるので、ぐっとおかしくなることが少なくなると思います。
僕、変なこと書いていますよね。(笑)
今まではクリーニング屋さんへ向けた表示ではなかった・・・・・。
そうなんです、今ついている絵表示は、消費者に向けたもので、クリーニング屋さんへ向けて作られたものではないんです。
ドライクリーニングできます、と言う表示がついていても、それは消費者へ向けてのもので、僕らクリーニング屋さんでドライクリーニングをしておかしくなったときに、アパレルさんへ問い合わせをして表示どおりに洗った、といっても、その表示はクリーニング店向けのものではありません、と突っ返されたりすることが多々あったんですね。
こういうことがなくなる・・・・・、はずです。
アパレルさんに期待しましょう。
これ読んでいると、クリーニング屋さんって大変だなあと思いませんか?
表示どおりに洗えばいい、割と簡単な仕事でしょう、と思われている方もいらっしゃるようで、上記の話をすると驚かれる方が結構いらっしゃいます。
現在、クリーニング屋さんでは、表示に隠された情報を読み取りながらクリーニングをしているんですね。
どういうことか。
いま、絵表示どおりに洗ったら問題のある商品がかなり流通しています。
30%くらいは、絵表示どおりに洗うと何らかの問題が起こると思っていもいいかもしれません。
変化には多少の違いはありますが、表面が変化したり、肌触りが変わったり、縮んだり。
人によっては気付きにくい変化もありますが、ちりも積もれば何とやら、数回洗ったらおかしくなるようなものも存在しています。
表示どおりに洗いましたから、うちには何の問題もありません。
クリーニング屋さんがこんなことを言ってたら、困るのはお客様ですよね。
いちいち、商品に問題がある、とアパレルさんに掛け合っていては面倒くさくて仕方ない。
中には、そういって返すクリーニング屋さんもいますが・・・・・、今多くのクリーニング屋さんは問題のある商品を工夫しながら洗っているのが現状なんです。
そのまま洗ったらおかしくなるから、おかしくならないように表示に書かれていない注意をしながら洗っている。
実はクリーニング屋さんの裏側であ、毎日これの連続なんですよ。
クリーニングに出して当たり前のようにきれいに返ってくる背景には、クリーニング屋さんが経験や知識をフル活用して、絵表示に隠された問題点を見抜き、適切なクリーニングで洗っているから出来ていることなんです。
隠されたものを見抜いているわけですから、人によって誤差が生まれます。
その誤差が、クリーニング屋さんの仕上がりの違いに出てきたりしていたわけですね。
しかし、今度の絵表示の改正で、クリーニング屋さんにも対応してくれることと、商品の耐久性を表示してくれることでこれが劇的に変わる可能性があります。
今まで、クリーニング屋さんに頼りきりだったものが、きちんと検査でテストされて市場に出回るようになる。
本当の意味で表示どおりに洗えば問題の無い商品が増えるようになるんです。
画期的なことですよね。
そして、ここからはクリーニング屋さんの出番。
その商品の耐久性の範囲内で、いかに汚れを落とすか?純粋にクリーニングの技術力が試されるようになる、と言うわけです。
来年は、大きく変化しそうですよ。
当分、旧絵表示と新絵表示が混在する期間はあると思います。
その間、今までと同様、クリーニング屋さんの経験や知識はフル活用されると思いますが・・・・・。
絵表示を見たときに、クリーニング屋さんはここからいろんなことを読み取っているんだなあと思っていただけるとうれしいです。(笑)
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