クリーニング屋さんには、国家資格があります。
クリーニング師という国家資格がありまして、工場に一人、国家資格の取得者がいなければいけない、という法律があるんです。
ネット上で、元クリーニング屋ですが、と名乗っている人のほとんどは、クリーニング屋さんではなく、クリーニング屋で働いていたアルバイトやパートさんだったりします。
本物のクリーニング屋さんというのは、クリーニング師のことを言うんですね。
では、クリーニング師の国家資格を取得するにはどうすればいいか?
各都道府県でおこなわれる年に一度の試験に合格すれば、クリーニング師になれます。
筆記と実技が試験内容です。
繊維の鑑別やしみの鑑別、アイロンがけの実技があるんです。
クリーニングの資格だけ見ると、勉強すれば早ければ3ヶ月ほどで取得可能かもしれません。
でも、現場できちんと働こうとすると、そんな付け焼刃ではうまくいくはずも無く・・・・、やはりそれなりに勉強をしないといけないんですね。
僕は昔、クリーニング学校に通っていました。
夜学で夕方6時から夜9時まで授業。
週4日で一年通いました。
クリーニング師になるためにする勉強はかなり膨大で、繊維の名前を覚えるのはもちろん。繊維の特徴、薬品の耐久性、熱による耐久性、生地のつくりの違いによる影響などなど、多岐にわたる勉強をします。
これをしているので、知らない服が着ても、クリーニング屋さんは普通に洗うことが出来るんです。
素材を見て、服を見て、装飾品を見て、どういう風に洗えばいいか、どんなことの起こりやすい服なのか、知識と経験から推測してクリーニングをしていきます。
他にも勉強をするんですよ。
洗うものの勉強のほか、洗剤の勉強、薬品の勉強、他に必要な資格の取得、いろいろとやります。
一年で足りないくらい、でもみっちりと叩き込まれるんです。
そして一年後、見事に国家資格に合格して、はれてクリーニング師となるわけです。
クリーニング師になるには、現場で働けるだけの知識を取得しようとすると、みっちり一年は最低でもかかります。
でも、これでも入り口に立っただけ、現場に立てば、基礎以外の応用的な知識も必要になりますし、日々進化する繊維や服について勉強をしていかなければいけません。
そういう意味では、クリーニング屋さんとして仕事をすると、一生勉強という事になるんでしょう。
よく、クリーニング屋さんはお店によって違いがある、といいますが、その差はクリーニング師駕しているかどうかの差であるといってもいいかもしれません。
大きな工場を持っているチェーン店では、どうしてもクリーニング師はそんなにいません。
仕事をしているのは、パートさんやアルバイト。
その場で適切な判断を下すのはちょっと難しいですね。
町にある個人のクリーニング屋さんですと・・・・・。
家族で経営をされていて、事業を継承するという目的から、ご主人や息子さん、中には奥様がクリーニング師の資格を取得しているお店もあります。
うちでも、父と母、僕も持っていますし、嫁さんは今クリーニング学校に通っていてクリーニング師の資格を取得する予定です。
働いている人がクリーニング師の資格を持っているお店は、安心して任せることが出来ますよね。
やはり、一年の勉強は伊達じゃない、クリーニング師の資格は伊達じゃないって事です。
クリーニング屋さんに、クリーニング師が何名在中、と張り出してくれると分かりやすいのかもなあ・・・・・。
いつかそうなるといいですね。
今日の洗濯の扉は、東京都府中市の一伸ドライクリーニング店 工藤がお送りしました。
暑くてじめじめしていますが、お体お気をつけください。
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