洗濯の扉、本日は隔週月曜日に登場する男、横浜の伊藤が担当です。
皆さんはクリーニング屋さんで嫌な思いをされたというご経験はありますでしょうか。
シミが落ちていなかった、約束の日時に仕上がっていなかった、店のオヤジがパンチパーマで威圧的だった。(笑)
たまたま三番目の例は、先週末に他のクリーニング屋さんと集配途中に路上でお話しした時に笑い話で出てきただけなんですが・・・。
残念ながら、消費者センターに寄せられる様々なクレーム等の中で、私たちクリーニングに関する事は多い中に入ります。
なぜでしょう。
本当はあってはいけない事ですが、それでも商売としてたくさんの仕事をこなしていれば、どんな業種でも大なり小なりのトラブルはあります。
接客態度が悪かったとか、品質が思ったほどではなかったとか、料金が高額すぎるとか・・・。
例えば、雑誌でも有名なラーメン屋さんに行列していったら、そこの主人がお客に対して高圧的な態度だったとか騒ぐほど美味くなかったとか。
でも気に入らなければ、二度といかなけい訳ですし、消費者センターまでクレームを上げる事なんか稀ですよね。
なぜクリーニング屋さんのトラブルが消費者センターの常連さんなのか?
それはご自身の大切な洋服に関するトラブルだからですよね。
そう。
私たちは皆さんの大切な所有物をお預かりして加工してお返しする、そんな商売です。
ですが、そのお預かりするお洋服は我々の知らぬところで企画製造され、お客様がご使用された状態でお店に入ってきます。
ひとたびトラブルが起こりますと、最終的に私たちクリーニング屋さんが代表して原因を探る責任が生じてきます。
もちろん、私たちが取扱いを間違えて事故になってしまったケースだってあります。
ウール地のシャツをコットンシャツと勘違いして水で洗ってしまったとか、シミヌキして地色まで変化してしまったとか・・・。
クレームの原因が実はお客様の着用の仕方によってもたらされたり、着用中に何らかの影響を受けていてクリーニング時に表面化するなどといったケースもあります。
汗をかいたまま何度も擦る様な力を加えられたワキの部分のフエルト化でしたり、パーマ液をこぼされて脆弱かしてしまった襟元とかです。
当然、そのお洋服を企画製造したメーカーにも原因がある場合もありますよね。
普段のクリーニングのお手入れには耐えられない素材や衣類の素材としては不適格なもの、そして経年劣化が激しい素材の採用などがあります。
パイプに使用されている塩化ビニールを乳化剤で柔らかくして素材に使ったり、数年で分解を始めてしまうポリウレタン、そしてコットンに直接皮革を張り合わせたカットソーなどですね。
先日、東京の組合本部にてそのような様々な原因でトラブルになった衣類の「展示会」がありました。
原因がどこにあろうと、それを見極めてトラブルが少しでも減らそうという我々クリーニング業の取り組みですね。
もちろん展示物は、クリーニング業者だけでなく消費者やアパレルメーカーでも閲覧ができます。
色々な立場の方がもっともっと集まって対策を考える事により、消費者の皆様とクリーニング屋さんとがもっと近づけると嬉しいですね。
余談です。
これは展示されていた「事故品」に添えられていた注意書き。
どのような状態になりトラブルになったのか・・
その為の貴重な資料には違いないのですが、ちょっとこのコピーには笑ってしまいました。
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クリーニングの
イトウ商会 代表:伊藤正博
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