ゴールデンウィークが明けてから、クリーニング屋さんは大忙しです。
いつもご利用くださっているお客様や、衣更えのこの時期だけご利用されるお客様など様々な方がご来店くださいます。
中には、クリーニングジプシーみたいな方々もいらっしゃるんですよ。
クリーニングジプシー、特定のクリーニング店をご利用するのではなく、毎年様々なクリーニング屋さんを渡り歩かれるんです。
そういうお客様に多いのですが、当店にご来店くださいまして、クリーニング代が高いな、とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。
色々なクリーニング屋さんを渡り歩いているようですから、料金の違いがわかるんでしょうね。
よく、クリーニング屋さんは、クリーニング店にも色々あります、品質も違います、と言いますが、多分それが伝わっていないんでしょうね。
みためかわらないじゃん?と言う人、結構いらっしゃると思うんですね。
うちではそういうお客様からのご質問を頂いたときには、以下のように答えるようにしています。
まず、一つ目。
洗い方が違います。
クリーニングすると言うと、業務用の洗濯機の中でみんな一緒に洗うようなイメージでどこも変わらないと思うかもしれませんが、当店の場合は品物に合わせて、クリーニングをするので洗い方が全部違います。
必要であれば、一回20着ほどで洗える洗濯機で1着しか洗わないこともあります。
他の服と洗うと、柔らかい生地が負けてしまう可能性があるようなときです。
このように、素材にあわせてクリーニングをしているので、どうしてもコストがかかってしまいます。
二つ目。
必要に応じて、何度でも洗い直しをしています。
洗いあがって仕上げに回ってきたときに、しみや汚れがまだ残っているケースがあります。
当店の場合は、汚れがまだ残っていて、もう一度洗い直しをすれば落ちるかもしれないと思ったときには、躊躇なく洗い直しをさせていただいています。
洗い直しに関しては新たなクリーニング代は頂いていません。
何度洗いなおしても同じ料金、必要なときには3回も4回も洗いなおすときもあります。
三つ目。
ボタン付けやほつれなど気付いた所は修理してお渡ししています。
ボタンが取れていたり、ズボンの裾がほつれていたりしてそれに気付いたとき、簡単に補修させてもらっています。
そのままでは着る事が出来ないのでは意味がありませんし、うちらで出来ることはその場で。
ただし、簡単なように見えてきちんとした修理屋さんに頼まなければ行けないケースもございます、その時は修理屋さんでの修理をおすすめしています。
多分、少しクリーニング代が高いんじゃない?と思われるクリーニング屋さんでは普通にやっているサービスです。
うちだけが特別ではないと思います。
ただ、その話をお客様にあまりしないでしょ?
すると、大手チェーン店との違いが料金だけになってしまい、品質の違いがよく分からないと言う事につながっていってしまっていると思うんですね。
料金の安さも、立派なサービスです。
僕の所のような個人のクリーニング屋さんでは到底真似できませんし、仕事をさばく事も出来ません。
でも、その代わり、手を掛けて丁寧な仕事をすることは出来ます。
細やかなサービスをお望みか、リーズナブルな料金でのクリーニングをご希望か、と言う違いがあるんですね。
自分たちでは違いをアピールしているつもりでも、こうしてお客様からその違いがわからないと言われると、自分達のアピール不足を痛感します。
見ればわかる、着てもらえばわかる、と言うのはクリーニング屋さんの甘え。
もっとわかりやすく、消費者に伝えていく努力をしないといけませんね。
えてして、こういう話をすると、技術の話とか他店の批判をしてしまいがちですが、本当に伝える事はそんな話ではないと思うんです。
その技術のおかげで消費者にはどう着やすくなったのか?
そこが重要なのではないのかな、と思うんです。
また、品質の違い、サービスの違いを説明するのに他店を批判して自分の品質の高さを説明するのも、聞いているほうが不愉快になります。
技術や品質に自信があるなら、他の事は関係なくアピールしてよ、と思いませんか皆さん?
正しい競争とはそういうものだと思います。
そして、適正な競争は消費者の利益に繋がります。
もっと、僕らの事を知っていただかないとね。
どんどんここで伝えていきましょう。
今日のブログは、東京都府中市の一伸ドライクリーニング店 工藤がお送りしました。